もうすぐ50歳「どうにもならない」と思うことが増えたら、次の扉を開く時
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- 田口 まさ美
人生には、何回かしっかりと次の扉を開けるべきタイミングがあるなと思っていて、大学を卒業して社会へ出る時とか、実家を出る時とか。女性のとってその1つは40代中盤、50歳手前くらいにもやってくる。それが更年期というもの。これが思ったより、ずっしりと重い扉だったりする。
ようこそ、人生折り返しの季節へ
まず身体の変化。今までの体力低下とはまた違うレベルで、体の中から変化していく感覚。女性は50歳に向けて、男性は60歳に向けて、それぞれのタイミングでホルモンが確実に低下していくので仕方がないことだけれど、急激な変化に自分の認識がついていかない。まさに私が、そんなイマココ。
今まで普通にできていたことができなくなったり、ある日突然フェイスラインが変わっていたり、新たなシワを発見したりして、自分が自分でいれなくなってしまうかのような恐怖!を感じます。今までもじわじわと来ていたものが、一気に加速して崖を転がり落ちていくよう。待って待って💦追いつけない。
一気に70歳にでもなってしまえば、致し方ないと諦めもつくものの、この中途半端な時間を乗り越えていかねばならない。いいえ、そんな中途半端な時間を過ごせることこそ、よく考えたら最高に贅沢で幸せなことなんです!人生の秋の時間を、ちゃんと神様にいただけている証拠。
自分への価値の再定義をしよう
だから、今必要なのは、ただ自分への価値の再定義なんだろうなということに最近気づきました。人は無意識に、他人だけでなく自分自身への価値もつけているものです。勝手に「これくらいできるのが、私の価値」、と。でも、その価値の尺度は、ただ自分がひとりよがりに作っただけ。 ”ちゃんとしなくちゃ”と思ってきた”ちゃんと”は、実はほとんどが、してもしなくてもどうでもいいことだったりするんです。誰も傷つけないし、世の中も困らないこと。他の人に頼ったり、譲ったりすればよいことなど。
例えば、私は最近更年期のため眠りが浅いので、睡眠が足りない日は、朝8時とか遅い時は9時に起きます。朝は7時には起きなければ自堕落!と以前の私なら思っていたんですけど、しかたないですよね。よく眠れていないと不健康なので。娘も海外留学でいないし、夫は早くに仕事へ出るので、実際のところ誰も困りません。それどころか、寝不足で不機嫌になられたら夫はかえって迷惑でしょう。ならば、そんな価値観いりません。眠れる日は眠ろう。
もうすぐ50歳。50年も生きるってすごい。十分がんばってきました。皆さんもきっとそうだと思うんです。誰にも知られない努力を、ひっそりと続け、大切に思うものをしかと手に握りしめ、雨の日も風の日も黙って歩み続けてきたきたことと思います。
たくさんの人を取材して思うこと、人は自分で思うよりがんばって生きている
いろんな人を取材してきて、ずっと思っていました。有名人じゃなくても、普通の人でも、誰もが本1冊書けるくらいの人生ドラマを抱えているものだと。そのくらい、人は、その人なりに何かを大切に思い、とてもがんばって生きている生き物だと思うんです。
いろんなものを手に入れ、必死で「自分」という形を作り上げた若い時代を経て、無事に人生の折り返しにやってきた。自分を大きく見せる必要も、見栄も、欲望も、もはや、そんなに必要がない。「がんばってもどうにもならない」と少しさみしく感じることが増えるのも、きっと成熟の証なんです。もう、どうにもならなくていいんです。
今度は、ありのままの自分の形に戻っていく時間。誰かの期待に沿って気張りすぎることもなく、周りに合わせて別の人格を装う必要もなく。一つ一つ、背負いすぎた荷物を肩から下ろしていく時間。その準備のために、体がサインを出してくれているんだなと。
何も考えずあっという間に人生を終えて、後悔しなくて済むように! 振り返らず、次の扉を開いていきましょう。今からの時間を、本当に自分が求めていた幸せを味わえるように。そういえば縁側で日向ぼっこしながら、緑茶と茶菓子が好きな子どもだったなぁ、私。明日は陽だまりでお茶したい。笑