“崇高な”気持ちを大切に生きていたいんです!ちょっと大げさですが(笑)

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Profile
坊垣 佳奈 (株)Makuake共同創業者

同志社大学卒業後、新卒でサイバーエージェントに入社。2010年に同社の取締役に就任。子会社の創業や経営参画を経て、2013年5月にサイバーエージェント・クラウドファンディング(現・Makuake)を設立と同時に取締役に就任。同年8月に、購入型クラウドファンディングプラットフォームサービス「Makuake」をスタート。2024年取締役を退任。全国各地での講演、地方創生にも尽力している。サツドラHD(株)社外取締役、Xtalent(株)アドバイザー。著書に『Makuake式「売れる」の新法則』(日経BOOKプラス)。

様々なジャンルで活躍する女性に、豊かなオトナ時間を生きるためのヒントを伺うインタビュー連載。第7回は経営者、坊垣佳奈さんの登場です。

寄附のイメージが強い日本のクラウドファンディング業界に、新しいものや体験を「応援購入」するという概念を浸透させたMakuake。同会社を共同創業者として立ち上げたのは30歳のとき。それから約10年を経た今、新しいステージを見据えています。そんな坊垣さんのこれまでとこれからについてお話を伺いました。

たくさんの経験を積み、会社名ではなく自分自身に価値をつけたいと思った20代

ー新卒で入社されたサイバーエージェントでは、20代で複数の子会社の立ち上げや経営に携わられたとか

サイバーエージェントでは、想像通り、いえ想像以上に、1年目から仕事をさせてもらえ、多くの経験を積むことができました。

自分で自分を褒めたいと思うのは、女性だからこそなるべく若いうちに経験を積んで、自分自身に価値をつけよう!と学生のうちから考えていたことです。出産を経験する女性は組織の中でどうしても不利な立場になりやすいことを踏まえ、肩書きではなく、早めに自分の名前で仕事ができるようになりたいと考えていました。いくつか内定をいただいた中で、当時はまだベンチャー企業だったサイバーエージェントを就職先に選んだ判断は、本当によかったと思っています。

Makuakeは日本に新しい消費の価値観を育んだ挑戦

ーそしてMakuakeの共同創設者のひとりになられ取締役に就任されました

幸運にも、立ち上げメンバーの3名の中のひとりとして携わることができました。

Makuakeを立ち上げた2013年当時は、クラウドファンディングビジネスはアメリカではメジャーでしたが、日本ではまだまだ馴染みがない中での挑戦でしたので、イノベーションだし、文化形成でもあるなと、とてもやりがいを感じました。

日本の代表的なクラファン企業は、日本で最初にスタートしたREADYFOR(レディーフォー)やCAMPFIRE(キャンプファイヤー)などがあります。前者は「共感」を重視した社会貢献性の高いプロジェクトに強みを持っていて、後者はプロダクト開発、アート、音楽、地域活性など、幅広いチャレンジを応援する、いわば「推し活的な応援スタイル」が特徴です。日本では3.11東日本大震災をきっかけに脚光を浴びたこともあり、一般には寄付や社会貢献のイメージがありました。

私はMakuakeを立ち上げるにあたり、寄付や社会貢献はもちろん重要ですが、消費を担う仕組み、企業のサポートにもなりながら、文化を広げるプラットフォームにできないかと考えました。例えば日本の得意なものづくり。小さくてもいいものを作り続ける日本産業をもっと広めたかったんです。先進国は特に、作り手の顔が見えづらくなっていますが、その背景や物語も含めて売りたいと。

ーそれが「応援購入」ですね。ものが作られる過程での物語を知って、そのものを買うという消費習慣は素敵なことですよね

お客様にはまだ世に出ていない新しい商品やサービスの背景を知っていただき、応援していただく気持ちを持っていただくことで、豊かな消費体験へと繋がる。そして企業様にとっても先行発売やマーケティングなどに活用していただける。Makuakeは、大企業からスタートアップまで、企業様が参入しやすいことが特徴です。

7歳年下の夫と結婚、“産休をとらずに”出産した理由

ープライベート面では、バリバリと働きながらご結婚、子育てもされています。どのように仕事と家庭とのバランスを取っていますか?

7歳下の夫とは、34歳の時に知人の紹介で出会いました。今、2歳の男の子がいます。実は、出産の時、産休を取らなかったんです。なぜなら、他社の上場会社の社外取も務めていたなかで、上場企業の取締役というポジションをお休みすることは、その一定期間、決議権を失うということ。大事な判断に加われずに、責任ある立場に復帰することになり、自身の責任を伴う仕事への感覚としてそれでいいのか、と感じましたし、その後の仕事に影響が出ると考えたからです。出産直後もオンラインでミーティングに参加したり、実家の両親を頼ったりして、出産を乗り越えました。なんとかなるものです!

今は経営者である夫と共に、朝担当は夫、夜担当は私と、本当に5:5で協力しながら仕事と育児に取り組んでいます。夫は育児も得意なので、感謝しています。

「生まれたてきたからには爪痕を残しなさい」と語った父

ーMakuakeについては取締役を昨年退任されました。出産・子育てが関係あったのでしょうか?

いいえ、出産や子育ては全く関係がありません。Makuakeは上場してから7年が経ち、仕組みも安定して次の世代も力をつけました。次のフェーズは次世代が担うべきだと考え、一旦引退し、若手に引き継ぎをしました。今は、今までの関係者のサポートなどを行っているタイミングです。

それから、これからのまだまだ長いであろう人生を考えたときに、ゼロからの新しいチャレンジをしてみたくなったんです。研究職である父には「生まれたからには、この世に生まれた証を残しなさい」と言われて育ちました。その言葉がずっと心にありました。

「どんな仕事をしたいか?」と考える時、お金はあとからついてくるものであると思っていて、自分がやりがいを感じられるかどうか、そこに人生を捧げたいと思えるかどうかを大事にしたいと思っています。

今後は自分発の欲求から生まれる仕事に挑戦したい

ー次に視野に入れているビジネスはすでにありますか?

今までのように会社からの提案ではなく、これからは自分の本当にやりたいことを個で発信する仕事をやってみようかな、と思っているんです。今までの経験を財産に、今後はより自分の心に沿った働き方をしていきたいです。今関心があるのは、教育と地方。日本の課題である教育に奔走したり、地方には利益をたくさん上げられていないけれど素晴らしい技術や文化を受け継いでいる…そういう人たちがいます。その人たちに光を当てて社会的ムーブメントを起こすお手伝いをしたい。私が携わる意義はそこにあるのかもしれない、と思っています。

プライベートでは、2歳になった子供に自然の中で走り回ってもらいたくて、北海道に家を建て始めています。より心豊かな人生のために、色々と計画中です!

ーありがとうございます。次のステージも楽しみにしています。最後に坊垣さんの、私を支える言葉を教えてください

いつも“崇高”でありたい

崇高って、最上級の言葉だと思っていて、常に崇高でいることを実践するのはハードルが高い。常に、誰も見ていなくても、自分は自分の言動をみている。自分をがっかりさせない自分でいたい。そんな気持ちが、この言葉になるかと思います。私は人として、ビジネスマンとして、親として、真っ当でありたいなと、常々思っています。

坊垣さんが愛してやまない日本のいいもの

ARASの割れない皿

「金沢の石川樹脂工業さんが手がけるブランドで、樹脂とガラスでできたおしゃれで軽いお皿です。石川樹脂工業さんは伝統技術を後世に残すこととサスティナブルをすごく意識されていて、私が注目している会社のひとつです。軽くて使い勝手が良く、子供がいる家庭にもピッタリです(坊垣さん)」

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PRMALのジュエリー

「自然環境や労働環境を犠牲にしないラボグロウンダイヤモンドを使用したジュエリー。日本有数の宝飾産地である山梨の職人の伝統技術と地球や人に優しいものづくりを両立させるオーナーの考えにとても感銘を受けました。シンプルで上品なデザインも気に入っています(坊垣さん)」

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上川大雪酒造の日本酒

「日本酒業界は免許の関係で若い人が参入できない現状があります。そんな中でも、さまざまな工夫により2017年に北海道に創設された新しい酒造で、地方創生蔵とも呼ばれています。私はお酒はその土地の文化を表し、お酒が元気な街は、街も元気だと思っています。そういう意味でも応援しているお酒です。味わいもとても豊かでおいしいです(坊垣さん)」

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撮影/古谷利幸 モデレーター/田口まさ美 エディター/藤木広子

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