主婦希望から、医師へ。極限まで働いた時に見えた“幸せ”のカタチ

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Profile
西田 倫 美容外科・美容皮膚科医・形成外科専門医

KINOT CLINIC AOYAMA院長。国立大学大学院 理学部物理学科に入学し、大学院まで進むも、25歳の時にもっと人のためになりたいと一念発起し、医学部へ編入。その後、慶應義塾大学病院形成外科で研鑽を積み、専門医を取得。下顔瞼のオペで若々しくなり笑顔になる患者を見て、針と糸で美しさを紡ぐ美容外科に興味を持ち美容医療の道へ。現在は自身のクリニックにて院長を勤める。https://knot-clinic.com

様々なジャンルで活躍する女性に、豊かなオトナ時間を生きるためのヒントを伺うインタビュー連載。第6回は医師・西田 倫さんの登場です。


物理学から医学部へと編入し、29歳でドクターとなり、さらには形成外科の専門医から、美容の世界に進んだ西田先生の経歴は、医師としてはとても珍しいケースと言えます。そのきっかけは「直感」の積み重ねだったそう。「今は毎日が幸せ!」と語る、西田先生のストーリーとは?

結婚して家に入るのが女の幸せと言われ、主婦が夢だった幼少期

ー小さな頃から、医師になることが夢だったのでしょうか?

いいえ、幼い頃から、両親には早く結婚して家庭に入るように言われていて、私もそれが自分の幸せだと思っていました。医学にもまったく興味がなく、宇宙が好きな子供でしたので、国立大の物理学科に進みました。

大学生時代は勉強はもちろん、大学生らしい遊びもたくさんしましたし、楽しい時代でもありました。ですが、就職活動の時期になっても、自分がやりたい仕事も、働きたいと思える会社もなくて…。それで大学院へと進んだんです。

大学院では流体力学を通して人工血管などの研究をしていました。それは人の役に立つものではあるのですが、研究室にいる私の目には実際にそれを見ることができませんし、モチベーションに繋がりにくく、相変わらず夢は漠然と主婦になることだったんです。

これが私の仕事!医師になるため物理学部大学院から北海道の医学部へ

ーそんな西田先生が医学の道を志すようになったのには、どんなきっかけがあったのでしょうか?

大学院在学中に、とある大学病院の精神科の先生たちの秘書のアルバイトを始めました。詳しくはお話できないんですが、そこで医師の裏側を知り、人間のリアルな部分に触れられる仕事なんだなと知り、医師という職業がとても面白く、魅力的に感じてしまったんです。それで医師を目指すことを決意しました。24歳の時です。

物理系の大学院生だった私が医師になるためには、医学部へ学士編入する必要があるのですが、とにかくそれが狭き門で。一から猛勉強しました。「後がもうない!絶対に医師になる!」という思いで必死でした。運良くチャレンジ1年にして、25歳で医学部へ編入することができました。

私が編入した大学は北海道・旭川にあり、合格させてくれた学校なので、骨を埋める気持ちで北海道へ行ったのですが…いざ行ってみると冬の旭川は朝起きたらまず雪かきから始まり、日中も鼻毛が凍るほどの寒さで。とにかく冬が過酷すぎて、早く暖かいところに帰りたいと思いながら、4年半頑張りました(笑)。

29歳で医師免許をとった後は、大学院時代にアルバイトをしていた大学病院へ戻り、さまざまな診療科で研修医として経験を積みました。

「綺麗に縫えるね」のひと言が、形成外科へ導いた

ーその後、形成外科の専門医の道を歩まれることになりました

実は最後まで糖尿病内科か形成外科かで、悩んでいました。ただ、救急科にいた研修医時代に、指導医に「縫うのが上手いね」って言われたんです。思い返してみれば、細かい作業が好きで高校生の頃は真剣にネイリストもいいなと思っていたぐらいで。その先生の言葉もあり、形成外科の専門医を視野に入れるようになりました。

それと、占いです(笑)。まだ進路を決め切れずにいたとき、占い師の方に「あなたは人の気持ちがわかるから、内科がおすすめ」と言われて、逆に「いや!私は、形成外科に行きたい!」と、自分の中にある本当の欲求に気付けたんです。本当は自分のやりたいことが、すでにわかっていたんでしょうね…。天邪鬼ですが!(笑) そういうわけで、形成外科医となりました。

私には、「今まで受けてきた恩を世の中に還元したい」という思いがずっとありましたので、人に寄り添える「医師」という職業は本望であり、一生続けられる仕事をやっと見つけられた、とも感じていました。形成外科は、乳房再建や熱傷痕、血管の吻合etc.欠損や異常などを手術で修復する診療科で結果が見えるため、目の前で患者様に喜んでもらえて、やりがいも感じていましたね。

体調を壊し入院しながら同じ病院で勤務を続けた異例の事態で見えたこと

ー形成外科医というハードワークをしながら、結婚・出産。そのときに「辛い」の一言が言えず本格的に体調を崩されたとか?

ある病院に勤めていた時、その病院で形成外科医が私ひとりということがありました。勤務時間外に、緊急時に呼び出しを受けるオンコールが常、という状態でしたが、仕事は全く苦ではありませんでした。

けれど当時、私は妊娠していて、とにかくつわりがひどかったんです…。それでも「辛い」というひと言がカッコ悪く感じてなかなか言えず、体調が悪化。ついには入院が必要な状況に追い込まれ、それでも仕事を続けなければという責任感で自分の病院に入院するという選択をし、入院ベッドから診察やオペに向かうという異例の事態に…。
そんな状態ですから、ある時、プツッと糸が切れてしまって。「自分が入院してまで患者を診るというのはただのエゴではないか」「自分を犠牲にしてまで頑張ることが正しいわけではない」そして「自分を守るのも、子供を守るのも私だ」と気づいたんです。

それから、生き方に対するマインドが変わりましたね。目の前の相手も大事だけれど、自分もハッピーにしたいと。

同時に、当時の夫とも離婚しました。極限状態の働き方をしていましたから、夫ともすれ違ってしまって…。元々私は昭和の女でしたから(笑)離婚という考えすらなかったのですが、離婚をしていいと思えたら、とても楽になって、離婚後はものすごく自由を感じました。

自分も患者様もハッピーを目指して自身のクリニックを立ち上げ。気持ちに寄り添った美の提案を

ー美容外科・美容皮膚科医へと転身された理由は?

直接的な理由は、子どもの存在です。シングルマザーですので、これまでのように土日や夜勤が難しくなり、経験はありませんでしたが直感で美容医療の世界へと飛び込みました。

形成外科と美容医療は、形成外科は修復で正しくゼロの状態にする、美容はゼロからプラスの状態にするという違いがあります。美容は患者様がどうしたいのか気持ちを確認し、感情を察することがより大切です。そういう意味でも、美容医療の世界は、天職だと思っています。占い師さんにも「あなたは人の気持ちがわかる」と太鼓判を押されたぐらいですから(笑)。

私は、毎日這うようにして通った勤務病院で、朝早くから掃除をしてくれている清掃員さんとおしゃべりする時間が大好きでした。彼は、誰も使わなそうな手すりまで綺麗に磨いてくださっていて。私も、誰も気にしていないかもしれないことまで自分が気づいて細かく丁寧に仕事をしたいと、常々思っています。

ーそしてご自身の美容クリニックも立ち上げられました

美容クリニックに勤務医として働き始めてから、友達に「なぜ自分のクリニックを作らないの?」と言われて「なるほど」と思ったのを機に、そこから数ヶ月でオープンしました。いざ立ち上げてみると、スタッフのみんなとクリニックを作り上げていくのがとても面白く感じています。

自分を犠牲にして頑張った時間は、私の財産になっています。その経験が今の幸せにつながっているんだと思います。子供が生まれたり、離婚したりして、今の自分が今の自分のままでハッピーでいられる頑張り方にシフトして、今とても心地よく過ごしています。

ー西田先生は、紆余曲折の人生でしたが、振り返れば、大切な決断の時には、いつもご自分の直感に従って生きてこられました。生きていると、世の中や周りの人から、様々なバイアスを無意識にかけられているものです。そしてまた、西田先生のように、つい自分を犠牲にして頑張りすぎてしまう人も少なくないと思います。だからこそ、「こうあるべき」を一度見直し、もう遅いと思わずに自分にとっての心地よい選択をしていきたいですね。

そんな先生が大切にされている言葉は?

自分も相手もハッピーでいられる頑張り方にシフト。 あとは自分を信じて、腰を上げれるかどうかだけ!

「できるかできないか?」の別れ道は、ただ自分の直感を信じて、自分はやれると思って行動するかどうかだけなんだと思います。私も実は腰は重い方なんですが、自分にとっての正解を見極めて、ピン!ときた瞬間には行動するべきなのではないかな、と。きっと「やれる!」って素直に思い込むことができるかどうか?なんでしょうね。

西田先生の美しい暮らしに欠かせないアイテム

Astier de Villatteの器

「子どもの頃は家庭に入って主婦になるのが夢でしたから、今でも丁寧な暮らしへの憧れというのがありまして…(笑)食事は作れる時に作っていますが、“アスティエ”のお皿に盛るととても素敵な見た目になるんです(西田先生)」

公式サイトへ

祖母から受け継いだ時計

「祖母は大正生まれなのに11歳年下の男性と結婚してバリバリと働いていたハイカラな人で、私の理解者でした。家庭へ入って欲しいと願っていた母に対し、医者になるか迷ったときに背中を押してくれたのも祖母。この“ボーム&メルシエ”の時計は、そんな彼女から受け継いだ時計で、私のお守りです。肌の色に合っていて華美すぎないのも気に入っています(西田先生)」

EFFORA世代の皆さんにもおすすめのスキンケア

「私の定番のスキンケアですが、美容皮膚科医としてもイチオシのドクターズコスメたちです。右端の①泡ソープと③の美容液は毎スキンケアで使用。②④は肌状態に合わせて使い分け、⑤はスクラブなので肌のザラつきが気になった時だけお風呂で使用しています(西田先生)」

右から、

1 プラスリストア クレンジング泡ピールケア

「肌表面の古い角質を洗い流す5種類のピーリング成分を配合。角質をオフしてターンオーバーを促進。ふわふわの泡で、1度でクレンジング、洗顔ができるため摩擦が少ないのがいいです(西田先生)」

2 リビジョン DEJフェイスクリーム

「ペプチドが表皮と真皮の接合部(DEJ)のエラスチンやコラーゲンなどのたんぱく質を刺激して肌のハリと弾力を保つクリーム。その他、セラミド、ビタミンC、ヒアルロン酸などの様々な成分が肌を強力に保護・保湿してハリつやを与え、乾燥による小じわを目立たなくします(西田先生)」

3 アルファサイエンス メラブライトC+

「色素沈着やくすみを効果的に軽減する安定化システアミンを配合した美容セラム(西田先生)」

4 ガウディスキンエクラリバイブ

「パルミチン酸レチノールや7種の高機能ペプチドを配合した艶ハリを出す美容クリーム。守りのレチノールなので皮剥けはせずに、ハリツヤを出してくれます(西田先生)」

5 ゼオスキンヘルス エクスフォリエーティング ポリッシュ

「超微粒子マグネシウム・クリスタルが皮脂、汚れや角質をスムーズかつ均一に取り除き柔らかく滑らかな輝きのある肌に導いてくれます(西田先生)」

撮影/古谷利幸 モデレーター/田口まさ美 エディター/藤木広子

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